それ、本当にポットコミットですか?
先日、あるハンドの話を聞いたのですが、そのプレイの中にアマチュアのプレイヤーが犯しがちなミスプレイがいくつか見られましたので、今回はそのハンドについて解説していきます。
ミスプレイ1|3ベットが小さすぎる
$120バイインのトーナメントの序盤、ブラインドが200/400、アンティが50のときに、ハンドに正直にプレイするレクリエーショナルなプレイヤーがUTGから800にレイズしてきました。COにいるルースパッシブなプレイヤーがコールしました。エフェクティブスタックは12,000で、BNにいるHeroのハンドは で、2,100に3ベットしました。
AKのような強ハンドで3ベットするのは良いプレイでしょう。しかし、ここでは3,400程度のもう少し大きなベットサイズを選択すべきです。2,100のような小さな3ベットの問題点は、相手に非常良いポットオッズを与えレンジ内のほとんどのハンドでコールすることを正当化してしまうことです。たとえこちらがAAを持っていたとしても、66, QJ, 98s のようなハンドは大きな3ベットにコールして高い対価を払わせるか、フォールドさせるかのどちらかにしたいところです。
ご想像の通り、相手は2人ともコールしてきました。そしてフロップには次の3枚が落ちました。
トップペアを拾ったHeroまでチェックで回ってきました。Heroはここで、7,200のポットに3,300をベットしました。
プリフロップでの小さなベットはミスプレイでしたが、このフロップでの小さなベットは理想的なプレイです。このベットにコールが入ると、ポットは13,800になり、残りのスタックは6,500になるので、ターンで安全なカードが落ちれば自然な流れで1/2ポットサイズのオールインをすることができます。もしここでHeroが大きめのベットをしてしまうと、99や98のようなハンドをフォールドされてしまうかもしれません。そして、99や98のような捲り目の少ないハンドにフォールドされてしまうことは最悪の事態とも言えます。
ドローに対する「プロテクト」としての大きなベットは、ここではあまりメリットがありません。なぜなら、このスポットではたとえ巨大なオールインをしたとしてもほとんどのドローがオッズコールできてしまうからです。一般的に、強いメイドハンドを持っているときに考えるべきなのは、下のハンドをフォールドさせる方法ではなく、下のハンドからバリューを引き出す方法です。
ミスプレイ2|トップペアを過大評価してしまう
UTGのプレイヤーのみがコールし、ターンボードは次のようになりました。
UTGのプレイヤーがオールインしてきました。
このオールインはHeroにとってイージーフォールドでしょう。フラドロ滑りやオーバープレイしているワンペアには勝っていますが、相手はハンドに正直なプレイヤーなのでそれらのハンドはチェックしてくるでしょう。したがって、76s, A9, 98 など、HeroのTPTKよりも強いハンドを持っているのが濃厚です。
仮にフラッシュドローでオールインをしてくるような相手だったとしても、フラッシュドローのコンボ数は比較的少ないですし、フラッシュドローにもそれなりのエクイティがあることを考えると、やはりHeroはフォールドすべきです。
Heroは自分のトップペアを過大評価し相手のオールインをコールするという典型的なミスを犯してしまいました。我々の予想通り、相手は で、ハンドに正直にプレイしていました。
それ、本当にポットコミットですか?
多くのアマチュアプレイヤーは、この状況を「降りれない状況」だと言い、負けたのをたまたま運が悪かったからだと考えてしまいます。しかし実際これは、相手が強いレンジを持っているということに気が付いてきちんとフォールドしなくてはならない場面です。
自分のスタックの半分がポットに入っているからといって「ポットコミット」だなんて思わないでください。ドローイングデッドなら絶対にポットコミットにはならないのです。上記のハンドの例では、私だったらA9以上のメイドハンドを持っていれば(しぶしぶにはなりますが)コールすると思います。スモールステークスでは、よほどの理由がない限り、相手がリプレゼントしているハンドを素直に信じてプレイするのが得策です。
著者:ジョナサン・リトル
翻訳元の記事:Pot committed ?