ポーカーアドベントカレンダー2025 17日目|髙木皓太|英語が話せなくても、海外遠征はもっと楽しくなる
この記事の目次
ごあいさつ
皆さん、こんにちは!
トルルさん(@toruruboy)からバトンを受け継ぎ、ポーカーアドベントカレンダー17日目を担当させていただく髙木皓太(たかぎこうた)です。
ほとんどの方は初めましてだと思いますが、『現代ポーカー理論』の訳者、あるいはその出版社であるCardology(カードロジー)の代表としてご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
2019年3月に専業キャッシュプレイヤーとなり、コロナ禍で一時中断。本業であるコンサルタント戻りましたが、
プレイヤーとしての夢を諦めきれず、最近ポーカーを再開しました。現在は、おかげさまで出版活動も忙しくさせていただきながら、兼業プレイヤーとして活動しています。
普段は出版社の代表という立場もあり、やや堅めの発信をすることが多いのですが、今日は一人のポーカープレイヤーとして、自分らしい文章でお届けできればと思います。
アドベントカレンダーのこれまでの記事の一覧はこちらから確認できます。素晴らしい記事ばかりですので、ぜひご覧ください。
遠征が楽しみで仕方がないのはなぜだろう?
専業だったころも、そして兼業になった今も変わらないのですが、僕は遠征が好きです。毎回楽しみで仕方がありません。
もちろん、ポーカー自体が大好きだというのもあるのですが、その点は海外にまで渡航するポーカー好きの他のプレイヤーと変わらないでしょう。
自分の遠征での楽しみを増しているのは何かと考えると、それは現地に知り合いが増え、友達ができることによって得られるバリューにあると感じています。
現地の人々と仲良くなったことで、同卓したときに楽しく一緒にプレイできるようになったのはもちろんですが、
地元のご飯屋さんに連れていってもらったり、休日に一緒に遊んだり、空いている家を貸してもらえて宿泊費が浮いたり、カジノのプライベートゲームに招待してもらえたり….。
いろんなご縁が繋がり、ラスベガスでは僕が長年ファンだったハリウッド俳優の方とプライベートで食事に行かせてもらった、なんてこともありました。
そこで今日は、
ポーカーで海外遠征した際のバリューをさらに増大させるための、
現地の人々と仲良くなるための自己流のメソッド
をご紹介できればと思います。
大切なのは「姿勢」と「気持ち」
魚じゃねえ!人間だ!
まず大大大大大前提、あなたの目の前にいるのは魚ではなく人間です。
レンジと戦略を持った「何か」でもなく、リークを持った「何か」でもなく、一人の人間です。
あなたと同じように、子供だった時代があり、いろんな出来事を経て今ここにいて、愛する人がいて、好きなものや大切にしていることがある人間です。
俺の方がポーカーを勉強してる?関係ないです。
俺の方がポーカーに注ぐ情熱がでかい?関係ないです。
ゴミみたいなハンドで参加してくる?関係ないです。
目の前の人を、あなたと同じ人間として、同じポーカーというゲームに熱中している仲間として、尊重しましょう。
そのうえでテーブル上では真剣に戦えば良いのです。目の前の相手を一人の人間として尊重すること、それこそが人とが仲良くなるための大前提だと僕は思います。
言語じゃねえ!姿勢だ!
とはいえ、海外で人と仲良くなりたいと思ったときに最初に浮かぶのは言語の壁ではないでしょうか。
今でこそ英語が話せますが、僕はいわゆる「純ジャパ」 (日本で生まれ育ち、英語環境とは無縁の家庭で育った人間)で、
元々英語は全く話せなかったので、言葉が話せないことでコミュニケーションが億劫になる気持ちはよくわかります。
高校生の頃、「英語が全然話せないが大丈夫だろうか」そんな不安を抱えながらアメリカの現地校に1年間通うことになったのですが、結果的に非常に楽しい留学生活を送ることができました。
考えてみれば当然なのですが、人と仲良くなるために、言語は十分条件でも必要条件でもありません。
日本に生まれ、日本語がペラペラなのに、友達が1人もいないなんて人はたくさんいるのです。
逆に、言語がほとんど通じなくても、友達をいっぱい作っていく人だっているのです。
留学先で出会ったメキシコ人のカルロスがそうでした。彼は僕が通っていたアメリカの高校に学期の途中で編入してきたのですが、英語が全く話せませんでした。カタコトですらなかった。
でも、彼はいつも明るく陽気におちゃらけてみんなの人気者でした。誰も彼が何を言っているのかはわからなかったのにです。
ロジックじゃねえ!気持ちだ!
カルロスは、編入してきて2ヶ月でアメリカ人の美女彼女を作り、いつも廊下のロッカーの前でイチャコラしていました。
僕はそのとき思いました。「あ、これアメリカの学園ドラマでよく見るやつだ」

もう1つそのとき気づいたことがあります。それは、気持ちというのは、ロジックよりもはるかにパワフルだということです。
カルロスは難しいことを後回しにして、ただ、自分の気持ち、想いを一生懸命伝えたんだと思います。そしてそれが伝わった。
「あなたに伝えたい」
「あなたを理解したい」
「同じ時間、体験を共有したい」
「共感するぜ」
「お前、いいやつやな」
まずはこのポジティブな感情を、一生懸命伝える。
心から、一生懸命伝えようするその姿勢、アクションによって、その「気持ち」が相手に伝わるんだと思うんです。
そうすると今度は、相手が「あなたを理解したい」って思ってくれる。
そう思ってもらえたら、もう正確な文法も、キレイな発音も不要になります。

もちろん、言語が堪能な方が、自己表現の幅も深みも出しやすいでしょう。
しかし、
言語は自己表現のツールの一つでしかなくて、
人と仲良くなるために必要なスキルでもなければ、
これさえあれば人と仲良くなれるだなんていう魔法でもないのです。
人と仲良くなるうえで重要なのは、語学の流暢さではなく、どれだけ強く「伝えたい」と思っているか。
留学、海外での仕事、そしてポーカーテーブルでの経験を通して、僕はそれを何度も実感してきました。
言語を言い訳にして、最初からコミュニケーションを放棄してしまっているとしたら、それはあまりに惜しい選択だと思います。
気持ちをアクションで表現する
では、自分の気持ちを、相手に上手に伝えるためには、どんな振る舞いやアクションをしたら良いのでしょうか。
ここからは僕が遠征中に意識していること、気をつけていることをいくつか紹介していきます!
挨拶
僕は、同卓するプレイヤーだけじゃなく、エントランスのセキュリティ、キャッシャー、フロアスタッフ、ディーラー、みんなに笑顔で挨拶するようにしています。
挨拶するだけでも気分が良いですし、ほとんどの人はそれだけで喜んでくれる。何度も挨拶しているうちに仲良くなることだってありますしね!
感謝
何かをしてもらったら気持ちを込めて、惜しまずThank you。言い過ぎになることはない!
笑顔
無表情、仏頂面はシンプルに怖いし、近づき難いです。
名前を覚える、名前で呼ぶ
僕は、できるだけ人の名前を覚えて、名前で呼ぶようにしています。
名前は、その人のアイデンティティの一部です。
名前で呼ぶという行為そのものが、「あなたを一人の固有の存在として認識しています」というメッセージになると思ってます。
ただの「Hi」と、「Hi, Dave.」では、後者には「あなたに向けて話している」という温かみが感じられます。
また、名前を覚えてもらい、互いに名前で呼び合う仲になったら、「知り合いになれた」と言って良いでしょう!これで現地に知り合いが1人できたわけです!
ジェスチャー
今は無意識ですが、英語を勉強していた頃はジェスチャーも積極的に取り入れるようにしていました。ジェスチャーを使うと、「なんとか伝えたい」という気持ちが伝わります。
僕たち日本人は普段あまりジェスチャーを使わないので、「大袈裟かな」と感じるくらいがちょうどいいと思います!
プレイやハンドに反応する
みんながプレイしているハンドに対して反応するようにしています。
「ナイスハンド!」
「アンラッキーだったね…」
「うまいプレイだね!」
シンプルな一言だけでも、自分のハンドを褒めてもらえる、バッドビートに同情してもらえるというのは嬉しいものです。
どれも今日からできる簡単なことですが、使う頻度が高い分、気持ちを込めて実践するだけで相手にしっかり伝わります。
きっと違いを感じてもらえるはずなので、ぜひ試してみてください。

これを知っていれば英語も不安じゃない!英会話の秘技
とはいえ、
「挨拶以外の何かを伝えたいときはどうするんだよ」️
「会話になったらどうしたらいいんだよ」
「英語の部分も不安だよ」
そういった声が聞こえてきます。
ということで、カタコトだった頃の僕が編み出した英会話の秘技を3つ紹介しちゃいます!
秘技①| Yes / Noで大抵のリアクションは表現できる
Yes と No は、単なる肯定・否定ではありません。
気持ち、トーンと表情、ジェスチャーを乗せれば、たくさんの感情が表現できます。
考えてみれば、物事への反応は、すごく雑に分類すれば肯定的か否定的に分類できるわけで、YesとNo、そしてそれぞれの言い方を工夫すれば、大抵の反応のスペクトラム(濃淡)を表現できるのです。
- Yes.
- Yes yes yes!
- Yeeeeeees!!!
- No…
- Nooooo…..
- Oh noooooo!!
それだけで、
「めっちゃ嬉しい」「嬉しい」「まあ普通に嬉しい」「微妙」「嫌だ」「最悪」…
「めっちゃ行きたい」「かなり行きたい」「行きたい」「あんま行きたくない」「行きたくない」「絶対行きたくない」…
すべて表現できます。
文を作る必要はありません。

秘技②|【 知ってる形容詞 】 + 【 very / not 】だけで大抵の状態は表現できる
GoodとBad、FastとSlowのように対になる形容詞を知っていたら、
- Very good(とても良い)
- Good(良い)
- Bad(悪い)
- Very bad(とても悪い)
Veryを活用するだけで、Goodとbadを両端に置くスペクトラムを表現できるのです!
さらに、Very very verrrryyyy goodと言ったり、あるいは小さな声でボソッと言ったりすることで、このスペクトラム上の様々な状態を表現することができます。
また、Goodに対するBadのような反対の表現を知らなくても問題ありません。Notを使えばそれで解決です。

秘技③|【 知ってる動詞 】 + 【 I / You 】 + 【 This / That 】で大抵の動作は表現できる
文法とか、過去とか未来とか、三単現とか、現在完了形がどうとか、そんなことは気にせず、以下の3つのパーツを並べれば大体伝わります。
- 誰が:I / You / He / She
- 何を:This / That / These / Those / It / Here / There
- 知ってる動詞
例
- I, take, break (休憩します)
- I, you, change chips (チップを両替したいです)

このように、英語が必要な場面でも、すでに知っている単語や表現だけで、非常に多くのことを伝えられます。
でも忘れないでください!これらの秘技は「伝えたい」という強い気持ちがあることを前提としています。
最後に
ポーカーでお金を稼ぐこと、座学したプレーを発揮すること、黙々とポーカーというゲームを楽しむこと。ポーカーの楽しみ方はもちろん人それぞれです。
ただ、僕は、遠征のバリューは、決してそれらにとどまらないと思っています。
一人で行く遠征も悪くはないけど、仲間と行く遠征はやっぱり格別。
見知らぬ人たちに囲まれて黙々と打ち続ける遠征よりも、
現地の知り合いと笑いながらプレイし、テーブルの外でも一緒に時間を過ごせる遠征は何倍も楽しい。
「もっと現地の人と仲良くなれたら、さらに楽しいんだろうな」
そんなふうに思ったことがある人は、きっと少なくないはずです。
それを、言語を理由に諦めてしまうのは、やっぱりもったいない。
言語が完璧じゃなくても、流暢に話せなくても、友達は作れます。
今回は具体的な振る舞いや英語のテクニックも紹介しましたが、やはり一番大事なのは姿勢と気持ちだと思います。
皆さんのポジティブな気持ちが自然と伝わることで現地の人とのつながりが生まれ、皆さんの遠征が今よりも少しでも楽しいものになったら嬉しいです。
以上、
純ジャパで、かつては英語もカタコトだった僕が、アメリカの高校で揉まれながら学び、
今でも遠征先で人との繋がりを楽しむために意識し、実践し続けている自己流メソッドでした!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
明日は、ポーカーブラザーズや3MillionPokerClubでおなじみのKuZさん(@kuzuyann)がご担当されます。どうぞお楽しみに!
おまけ|これくらいで十分!場面別・最小限で回る英語フレーズ集
おまけとして、ポーカー遠征でよく遭遇する場面を乗り切るための英語フレーズ集を載せておきます。
これらは英語を「正しく話せるようになる」ためのものではありません。
暗記用でも、勉強用でもありません。
姿勢と気持ちが伝われば、英語はこれくらい雑でいい。それでもちゃんと回る。
その感覚を、具体的な場面と一緒に感じてもらえたら嬉しいです。
① ウェイティングリストに名前を入れる
簡易版(これでOK)
- Waiting list, one-three, please. My name is 〇〇.
(ウェイティング・リスト、ワン・スリー、プリーズ。マイ・ネーム・イズ・〇〇)
補足
文章よりキーワードが大事です。
- Waiting list
- レート
- 名前(もしくはK.T.のようなイニシャル)
- 複数種類のゲームがあるときはNo-Limit Hold’emのようなゲーム名
これらが聞こえれば、ほぼ確実に通じます。
文として正しいかどうかは、全く気にしなくてOKです。
少しだけ丁寧
- Hi. Can I get on the waiting list for one-three? My name is 〇〇.
② 席に座っていいか確認する
簡易版(これでOK)
- This, OK?
(ディス、オーケー?) - Here, OK?
(ヒア、オーケー?)
補足
指差し+笑顔。それだけで成立します。
少しだけ丁寧
- Is this seat open?
③ 着席直後(BBをポストするか聞かれたとき)
簡易版(これでOK)
- I wait. Thank you.
(アイ・ウェイト。サンキュー)
補足
文法は崩れていますが、意味は100%通じます。
Thank you を添えるだけで、印象はかなり柔らぎます。
少しだけ丁寧
- I’ll wait for the big blind, thank you.
④ バイイン可能額を聞く
簡易版(これでOK)
- Max buy-in, how much?
(マックス・バイイン、ハウ・マッチ?)
少しだけ丁寧
- What’s the maximum buy-in?
⑤ チップランナーを呼ぶ
簡易版(これでOK)
- Excuse me. Chip runner, please.
(エクスキューズ・ミー。チップ・ランナー、プリーズ)
補足
「Excuse me」+「please」は万能な組み合わせ。
可能であれば、ディーラーの名前を呼ぶとさらにGood。
少しだけ丁寧
- Excuse me, could I get a chip runner, please?
⑥ フードサービスを呼ぶ
簡易版(これでOK)
- Food service, please.
(フード・サービス、プリーズ)
少しだけ丁寧
- Could I get food service, please?
- Could I get a server, please?
⑦ 自己紹介・名前を聞く
簡易版(これでOK)
- I’m 〇〇.
(手を差し伸べながら:アイム 〇〇) - Your name?
(ユア・ネーム?)
補足
握手のための手を差し伸べながら自己紹介をすれば、自然と相手も名前を教えてくれます。
文法が雑でも、失礼にはなりません。
おすすめ
- Spelling?
(スペリング?) - How do you spell it?
相手の名前を聞き取れなかったとき、なんとなく聞き取れたんだけどRだかLだか、BだかVだかわからない、忘れちゃいそう。
そんなときは、どうやって綴るの?と聞いてメモをとれば解決です。角も立たない便利な表現です。
少しだけ丁寧
- Hi, I’m 〇〇. Nice to meet you.
- May I ask your name?
⑧ 離席する
簡易版(これでOK)
- I take lunch break.
(アイ・テイク・ランチ・ブレイク)
補足
特にアメリカでは、朝でも夜でも、ご飯を食べても食べなくても、長めの休憩はLunch breakと言います。
少しだけ丁寧
- I’m going to take a lunch break.
⑨ ゲームを終える
簡易版(これでOK)
- I’m done.
(アイム・ダン) - I go home.
(アイ・ゴー・ホーム)
帰るときは挨拶も忘れずに
- Good game
(グッゲーム) - Good night
(グッナイ) - See you tomorrow
(スィー・ユー・トゥモロー)
少しだけ丁寧
- I’m done for today. Thanks everyone. Have a good night.
⑩ キャッシャーでチップを換金・購入する
換金
- Everything cash, please.
(エブリシング・キャッシュ、プリーズ)
少しだけ丁寧
- I’d like to cash out everything, please.
購入
- Chips, please.
(チップス、プリーズ)
少しだけ丁寧
- I’d like to buy chips, please.
補足
キャッシャーでは、最初に Hi、最後に Thank youも忘れずに。
⑪ チップを預ける
簡易版(これでOK)
- Deposit, please.
(デポジット、プリーズ)
少しだけ丁寧
I’d like to make a deposit, please.

著者|髙木皓太
ポーカー戦略書籍専門出版社Cardology代表
『現代ポーカー理論』翻訳 / ポーカープレイヤー
NLHキャッシュ元専業(現在は兼業)
ポーカーが大好きです
