ポーカーアドベントカレンダー2025 5日目|Drama|切り上げレーキ環境におけるPreflop戦略

みなさんこんにちは、Dramaと申します。
ポーカー歴は3年ほどで、普段は海外ライブキャッシュを打つ傍らでAmu(@Amuformu)さんと一緒に週刊均衡という戦略記事を毎週更新しています。

ポーカーアドベントカレンダー2025 5日目では、先日友人と一緒にむさぽ渋谷店さんに遊びに行った際の出来事について書きたいと思います。
その日、大学のポーカーサークルで出会った友人とは久しぶりの再会で、二人とも5-10に座ることになりました。

むさぽ5-10の基本的なルールは以下の通りです。

・5-10-(10)のBB ante game
・Preflop rakeはかからない
・Postflop rakeは5%2bb cap(切り上げ)であり、Flopが開いた時点で1bbのrakeが取られることが確定する。20bbを超えたpotになればさらに追加で1bbを取られる

No rake ante gameでのPreflop

僕は普段あまりante gameをプレイしませんが、Wynnなどでプレイする際には2bb openを採用することが多いです。
理由は2bb openに対してcc rangeを適切に設けることが難しいと考えているほか、BB defenseが過少になることが多いと感じるためです。

ante game(no rake)におけるBB defense vs BTN 2.3bb open

MTTプレイヤーにとっては馴染み深いかと思いますが、普段cash gameをプレイしている人からすればかなり広くdefenseする必要があります。

切り上げrake ante gameでのPreflop

むさぽでも同様のリークが想定できるだろうと考えて普段通り2bb openをすると、同卓した方からアドバイスをいただきました。

「Flopは開いた時点でレーキを1bb取られるから、2bb openだとFlop時点のpot 5.5bbに対して実質20%近くレーキを取られてしまって不利だよ。」

なるほど、そのように考えるのかと思いました。
周りを見ると3bb openを採用している人がほとんどであり、3bb openであればpot 7.5bbに対して1bb rakeなので実質レーキが抑えられているということのようでした。

Wynn LasVegasでのante gameはタイムレーキであるため、レーキを意識しながらante gameを打つ経験がほとんどなかった僕としては新鮮な感覚でした。

その直後で僕にBBの番が回ってきました。
HJから3bb openが入り、僕のハンドは36s。
ante gameであればeasy defenseだろうとcallを選択しようと思ったところで、レーキのことが頭をよぎりました。

「目の前にある1bb anteは、Flopが開いた瞬間にrakeとして徴収されてしまう。だとすれば、僕がプレイするべきは実質的にno anteにおける3bb openへのdefenseなのではないか?」

no ante NL50 rakeにおけるBB defense vs HJ 3bb open

anteがないのであれば36sは全くcallに足りないハンドです。
僕はfoldを選択し、HJのプレイヤーはスチールに成功し、僕が出したanteとBB,そしてSBを含めた2.5bbを獲得しました。

このことから、以下の事実が分かります。
1bb anteをそのまま獲得しうるのはPreflop raiserだけであり、それにcallする立場の人間にとってはcallした瞬間に消失する”透明な”anteとなっている

したがって、このようなrake環境におけるPreflop戦略は以下のようになることがわかります。

・open rangeは通常のno ante NL50 rake solutionと比べて広くなる
・cc rangeは狭くなり、リスチールに期待できる3bet rangeが広くなる
・BB defenseはno ante no rake solutionに近いレンジで行う

三つ目について、厳密には以下のfactorの影響を鑑みる必要があります。
・open rangeが広くなっていることにより、少し広くdefenseする必要がある
・実際には20bb以上のpotにおいて追加で1bb rakeを取られるので、no rakeよりも狭めにdefenseする必要がある

Open sizeに関する議論

冒頭で扱ったopen sizeについてもう一度考え直してみましょう。
3bb openは実質レーキを抑えることができるという観点を紹介しましたが、これには少し問題点があります。

それは、Preflop時点での実質レーキという概念に本質的な価値があまりないということです。
Flop CBで即座にpotが完結する場合などを除けば、基本的にpotはさらに焚かれてから完結することになります。
その場合、20bbに達するまでは追加のrakeを取られずにプレイすることができるわけですが、その領域は2bb openのほうが3bb openよりも広いです。

このことを考えれば、議論の焦点は実質レーキではなくPreflop の力学にあるべきです。

Preflop戦略の概要を振り返りましょう。

・open rangeは通常のno ante NL50 rake solutionと比べて広くなる
・cc rangeは狭くなり、リスチールに期待できる3bet rangeが広くなる
・BB defenseはno ante no rake solutionに近いレンジで行う

全員がスチール狙いのopenを広く行い、それを咎めるために3bet,4betを広げ合うというのが戦略の概要でした。

それを踏まえると、3betが広く返ってくる環境ではopen sizeを上げるべきではないという力学の知識により、2bb openのほうが有力であると結論づけられます。

まとめ

切り上げレーキのante gameにおけるPreflopの戦略は以下のようになることが予測できました。

・Originalは広く2bb openを行う
・BB以外のpositionにおいてccは少なく、基本的に3bet or foldで対応する
・BBは通常のante gameよりもずっと狭くdefenseする

もちろんこれらはsolverなどを使わずに導いた結論ですので厳密ではありません。
しかし、solveされていない状況においても思考を巡らせることで均衡を予測することができるというのはとても面白いことだと思います。

次回予告

さて、明日の記事は来栖うさこ(@usakosaan)さんが担当です!
エッセイを書かれるとのことで、どんな内容になるか今から楽しみですね!

引き続きポーカーアドベントカレンダー2025をお楽しみください!

著者|Drama

Dramaga/週刊均衡@GTOmaga/
GTO Wizard Partner
https://gtowizard.com/p/drama

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