最近運が悪い?悪いのはあなたのプレイかも…?見直すべき3つのプレイ

「最近ホント運が悪いんだよね。バッドビートばっかりで嫌になっちまうよ。」

と言われて、その人のハンド履歴やスタッツを見せてもらいます。そして私はこう答えるのです。「悪いのは運ではなくて、あなたのプレイの方ですね。」

ご想像の通り、このように返事をすると反発されることもよくあります。私は普段ポーカーコーチとして活動しているのですが、冒頭のやりとりは結構な頻度で起こります。多くのプレイヤーが新しいプレイを教えてくれと言って私のもとを訪れます。そして彼らは口を揃えて不運が続いていると言うのです。

彼らのプレイを分析してみると、負けているのは不運のせいなんかではなく、彼ら自身のミスプレイが原因であることがわかります。それも、細々としたミスプレイではなく、大きなミスがまだまだ存在するのです。

今日は、よくある3つのミスプレイと対策を紹介します。

プレミアムハンドでしか3ベットを打っていない

ポーカーを始めたてで血気盛んな頃は、アクションが盛んなテーブルを好む人が多いでしょう。そして広くオープンしすぎている相手を見つけては、ブロードウェイ、スーテッドコネクター、スモールポケット等で積極的に3ベットするのです。相手はこの3ベットに対して広いレンジでOOPからコールし、フロップをミスしてCBに対してチェックフォールドしてくれます。皆さんもこのような血気盛んな若いプレイヤーを今でも見かけるのではないでしょうか?彼らは恐れ知らずで常に全力でプレイしています。何より彼らは勝つためにプレイしているのです。そして実際このプレイスタイルはそこそこの結果を出すことができるのです。

残念ながら、多くのプレイヤーはしばらくするとこのプレイスタイルをやめてしまいます。安定を求めるようになり、積極的なプレイスタイルが合わなくなるのです。ポーカー仲間から恐れ知らずのプレイについて説教されることもあります。そしてそんなときにバッドビートが続き、自身のプレイスタイルに疑問を持ち始めます。QQ+以外で3ベットを打たなくなり、そうすることでますます状況が悪化していくのです。

3ベットレンジが狭すぎることの問題は、ほとんどのポットをマルチウェイでプレイすることになってしまうということです。なぜならBBのプレイヤーはかなりの高オッズでよほどのハンド以外はコールしてくるからです。マルチウェイでは、誰かしらが何かしらのハンドを持っていますし、ブラフでフォールドさせるのが難しくなります。そうすると、ポットを獲るためには強いハンドが必要になります。強いハンドができなければポットを獲れないなら、それはただのギャンブルです。ブラックジャックやパイゴウと変わりません。

強いプレイヤーとレクリエーショナルなプレイヤーの違いは、ショウダウンまで行かずにポットを獲れるかどうかです。ポットを獲るために強いハンドは必要ないのです。しかし、プリフロップで3ベットを打たずにコールばかりしていてはショウダウン以外でポットを獲ることはできません。さらに、プレミアムハンドを持っているときですら戦いづらいでしょう。めった3ベットしないあなたがようやく手にしたAAで3ベットをしても、誰もコールしてくれないでしょう。

Cベットが足りていない

多くのプレイヤーは、強いハンドとぶつかり続けるとCBを打つのをやめてしまいます。ターンで何かを拾うのを願ったり、ターンでディレイドCBを打ったりしますが、それだとエクイティを実現できないでしょう。フロップに9以上のカードが2枚以上ある場合、もしくは相手がEPからタイトなレンジでコールドコールをしているような場合を除いて、相手はほとんどの場合フロップで何もヒットしていません。ペア未満のハンドをフォールドさせられる額をベットしてポットを獲りましょう。もし相手が考えがちなタイプのプレイヤーだったら、「コールしてほしそうな額」を小さくベットすることで、強いハンドをリプレゼントしながら安くポットを獲ることができるかもしれません。何れにしても、相手がフロップをミスしたときにはしっかりとポットを獲るようにしましょう。これが、ノーリミットホールデムで強いハンドを持っていないときにもしっかり稼ぐ方法です。

よくあるリークのもう1つは、フロップで強いハンドができたときに相手を罠にはめようとしてスロープレイしてしまうことです。強いハンドができたのに相手が何も持っていなかったという状況が何度か続くと、相手をフォールドさせてしまうのが怖くなるのでしょう。そしてCBを打たずにチェックバックした結果、相手にドローを完成させてしまうのです。強いハンドができたのに大した金にならなかったという状況が何度か続いたとしても、その偶然かつ一時的な状況によって正しい戦略から外れるようなことがないようにしましょう。

ダブルバレルやトリプルバレルを打ちすぎる

通常フロップでCBを打つべきなのは、相手のレンジにペア未満のハンドが多く、それらのハンドをフォールドしてくれそうな場合です。つまり、フロップのCBをコールされたら相手はペア以上のハンドを持っているということです。ほとんどのプレイヤーはターンやリバーでワンペアを諦められず、コールしすぎています。この事実は私が今まで見てきた様々なデータにも表れています。
このように、プレイヤーの多くはターンとリバーのコール頻度が高すぎます。そうと分かっていても、ティルトになるとそれを忘れてバレルを打ちすぎてしまうプレイヤーもいます。フロップでミスしたAKoでCBを打ち相手にコールされると、「毎回フロップで強いハンドを引くなんてありえないんだ。何も持ってないに決まってる!」と言ってサードバレルまで打ち切ってしまいます。そしてショウダウンで負けると相手のプレイヤーを見下してこう言うのです。「クソフィッシュめ!セカンドペアでコールしてくるとは!」

ほとんどのプレイヤーはフォールドするのが苦手なのです。そしてだからこそポーカーというゲームで儲けることができるのです。スモール〜ミドルステークスのプレイヤーがたくさんコールしてくれることで利益を上げることができるのですから、彼らをわざわざフォールドさせようとするべきではないのです。

本記事をお楽しみいただけたなら、拙書『The Myth of Poker Talent』と『Exploitative Play in Live Poker』(両方ともD&B Publishing;日本語未訳)もきっとお役に立つはずです。ぜひチェックしてみてください。

著者:アレックス・フィッツジェラルド
翻訳元の記事:Why You’re Running Bad

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